イギリスに学べ「人生を楽しむ力」

 

昔イギリスに住んでいたことがありましたが、そのときイギリスに対して様々なことを感じました。悪いことも色々とありましたが、日本人も学べたらいいなと思ったこともありました。その一つは、イギリス人はリッチな生活をしなくても「人生を楽しむ力」があるという点です。

イギリスは1960~70年代、イギリス病といわれた不況の後、サッチャー氏が出てきて、政策変換で良い方向へ向かっていきました。
ただ私がいた90年代も金融以外にさほど目立った産業はなかった気がします。経済に詳しくはありませんので、これは断言できません。
それでもイギリス人はマイペースで生活を楽しむ術を知っていました。

田舎をトレッキングするのが楽しそうでした。なんであんなところに人が歩いているのかと思うような道なき森の中を歩いているイギリス人を沢山見ました。
冬は暗く憂鬱で長いので、天気のいい春~夏を楽しもうといったところなんでしょうが、本当にただ牧場の周りを歩くだけで皆さんニコニコです。
National TrustやEnglish Heritageなどの団体は市民の寄付を募り自力で景勝地を買い取り、そこを保存して皆で楽しむ。素晴らしい運動だと思います。

ここで特筆すべき点ですが、イギリスの男性、特に退職後の男性は往々にして穏やかでにこにこした方が多かったということです。女性の方がどーんとしていてえばっていた印象が私には強く残っています。人によるでしょうが、日本人の退職後の男性と比べると、ほんとうに接するのが楽でした。
仕事が人生の中心で生活の中での比重が大きい日本人とはイギリス人は異なる仕事観を持つからでしょうね。

日本で長年勤めた会社を退職してしまうと生活のほとんどを占めていた時間がごっそり空いてしまい誰も自分をかまってくれない。近くに友人もいない。退職後の生活の変化はとてもストレスが溜まるのでしょう。会社で上司として大切に扱われていた過去を忘れられないため、買い物や趣味の会に出かけても以前と同じように周囲から扱われるように期待する。そうして、その期待が裏切られると逆切れするわけです。周りは困惑し距離を置くようになります。残念です。

日本人の会社員の方には、退職する10年以上前から、ぜひイギリス紳士から生活を楽しむ術を学んでもらいたいと思います。日常生活の中にしあわせはある。森の中を歩くだけでにこにこ幸せになれる人でいたいと私も考えています。